こんにちは、ニッパーです!
この記事では「銘柄分析」を配信していきます。
最終的な投資判断はご自身で行っていただく必要がありますが、皆さんの銘柄探しの参考になり、安心できる投資への一助となれば幸いです。
ニッパー優待は9月末、配当は3月末。権利日が分かれている銘柄は、カレンダーの確認が大事ですね!
はじめに
2025年4月上旬の大暴落のときに、まとめて買えた銘柄です。
業績が伸び続けていて財務も強く、以前から検討リストに入れていました。ただ株価が下がる場面がなかなかなく、単元では手が出せずにいた銘柄です。それが2025年4月上旬の急落で大きく値を下げたため、そこで端株を80株ほど一気に取得し、その後もコツコツ買い足して2025年5月1日に100株の単元にしています。暴落時に多めに拾えたぶん、取得単価をかなり下げられました。
※本記事の株価・利回りは、2026年9月11日終値1,871円をもとに計算しています。
- システムリサーチ(3771)の事業内容・業績・配当の状況
- 株主優待の内容と権利確定日
- 権利確定日までにいつ買えば間に合うか
- 私が実際に購入を判断した理由と、リスクとして考えていること
システムリサーチとはどんな会社か
システムリサーチは、1981年3月に名古屋で設立された独立系のシステム開発会社です。特定のメーカーや企業グループの系列に属さず、顧客の使うハードウエアに縛られないシステム構築を強みにしています。本社は名古屋市中村区、東証プライム市場に上場しており、2025年3月には名古屋証券取引所プレミア市場にも重複上場しました。連結従業員数は1,569名です。
事業の中身
事業はソフトウエア関連事業の単一セグメントで、業務区分ごとに開示されています。2026年3月期の売上高は290.8億円でした。
ソフトウエア開発業務は最大の柱で、売上高166.0億円・構成比57.1%。大手企業を中心に、準委任契約や派遣契約による常駐型でシステム開発や保守を請け負う分野です。既存顧客からの継続受注が積み上がり、前期比16.5%の増収と全体を牽引しました。
SIサービス業務は、企画から設計・開発・保守までを一括請負でまとめて引き受ける分野で、売上高108.9億円・構成比37.4%。POS管理システムや自動倉庫と連携する倉庫管理システム、カーディーラーシステムなど、専門性の高い領域を手掛けています。
残りは商品販売が8.9億円(構成比3.0%)、パッケージソフトを扱うソフトウエアプロダクト業務が3.5億円(同1.2%)、ネットショップ構築サービス「イージーマイショップ」などのその他が3.5億円(同1.2%)。この3つを合わせても売上の5%程度で、実質的には受託開発2本柱の会社です。
最大の顧客はトヨタグループ
主要商圏が東海地区であることから、顧客構成にはっきりした特徴があります。2026年3月期は株式会社トヨタシステムズ1社で売上高の19.4%(56.6億円)を占めており、前期の17.8%からさらに比率が上がりました。自動車関連製造業を中心とした取引が、この会社の収益基盤になっています。
裏を返せば特定グループへの依存度は高く、会社自身も有価証券報告書のリスク欄に、トヨタ自動車の事業動向によっては業績に影響を及ぼす可能性があると明記しています。安定を支えている要因と、リスクの要因が同じところにある会社だと考えています。
なお受注環境は良好で、2026年3月期末の受注残高は67.1億円と前期の1.8倍に膨らみました。受注高も317.4億円と前期比30.4%増えており、当面の売上の土台は積み上がっている状態です。
中期経営計画・今後の方向性
会社は中長期目標として『Next Vision 50th』を掲げ、中期目標に売上高500億円、長期目標に売上高1,000億円を置いています。2027年3月期は売上高300億円を達成すると同時に、500億円に向けたスタートの期と位置づけられています。
経営指標は、売上高伸び率10%以上・営業利益率10%以上が従来の目標で、今後はこれを伸び率15%・営業利益率15%へ引き上げることを目指すとしています。あわせて2027年3月期から2029年3月期までを対象とする中期(3か年)経営計画が置かれており、後述する累進配当もこの期間に対応しています。
一方で、会社が最重要課題に挙げているのが生成AIへの対応です。AIによる開発の自動化が進めば、人月ベースで対価を得る受託開発モデルそのものが変わる可能性がある、と有価証券報告書ではっきり書いています。その対応として2026年4月に「AX推進室」を立ち上げ、AIに置き換えにくい顧客の業務知識やプロジェクトマネジメント力に軸足を置く方針を示しています。追い風の需要と構造変化の両方を、会社が正面から認識している点は評価できると考えています。
株主優待について
システムリサーチの株主優待は、QUOカードです。9月末を基準日とする年1回の実施で、保有株数による区分はなく、100株以上で一律の内容になっています。
株主優待の内容
対象
100株以上
優待内容
QUOカード(1,000円相当)
権利確定日
2026年9月30日
贈呈時期
2026年12月上旬頃
継続保有期間の条件がないため、権利付最終日までに100株を買っておけば初年度から受け取れます。一方で500株でも1,000株でも金額は変わらないので、優待だけを狙うなら100株が最も効率が良い銘柄です。それ以上は配当を目的に増やす、という考え方になります。
いつまでに買えば間に合うか
権利確定日(9月30日)の2営業日前が「権利付最終日」となるため、株を購入するのはそれより前に済ませておく必要があります。実際に取引される際は、証券会社の取引カレンダーで最新の権利付最終日をご確認ください。
| 権利付き最終日 | 権利落ち日 | 権利確定日 | |
| 2026年9月 | 9/28(月) | 9/29(火) | 9/30(水) |
ここで注意しておきたいのが、9月末は優待だけの権利確定日だという点です。同社は3月決算で、配当は期末の年1回にまとめて支払われます。定款上は9月30日を基準日とする中間配当も可能とされていますが、実際には実施されていません。配当も受け取るには、翌年3月末の権利付最終日まで保有を続ける必要があります。
同じ9月末が権利確定日の銘柄として、長谷川香料(4958)の株主優待・配当利回りを解説も書いています。あわせてどうぞ。


配当+優待の利回りを計算してみる
2026年9月11日時点の株価(1,871円)で計算すると、100株保有に必要な投資金額は約18万7,100円です。
配当利回り+優待利回り
配当利回り(予想)
約4.28%
2026年9月11日時点
優待利回り
約0.53%
100株保有の場合
配当+優待合計
約4.81%
100株を保有した場合、年間配当8,000円(会社予想80円×100株)とQUOカード1,000円分を合わせて、年間約4.81%相当のリターンが期待できる計算です。
内訳を見ると分かるとおり、この銘柄は配当利回りだけで4%を超えているのが特徴で、優待は0.5%ほどの上乗せにすぎません。「QUOカードがもらえる高配当株」というより、「高配当株にQUOカードがおまけで付いてくる」と考えるほうが実態に近いと考えています。
配当について
配当方針は「配当性向50%+累進配当」
システムリサーチはこれまで、配当性向40%を目標とした安定配当を基本方針としていました。それを2026年7月28日の取締役会で変更し、資本効率の向上と株主還元の一層の充実を図るため、目標配当性向を50%へ引き上げ、あわせて累進配当を導入しています。
配当性向50%を目標とした安定配当を基本方針とするとともに、2027年3月期から2029年3月期までの中期(3か年)経営計画期間においては累進配当(原則として減配せず、配当の維持もしくは増配を行う配当政策)とする。
累進配当は「原則として減配しない」という約束です。適用されるのは2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画期間で、急激な業績悪化や重大な投資案件の発生など財務健全性に重要な影響を及ぼす事象が生じた場合には見直す可能性がある、という但し書きも付いています。無条件の保証ではありませんが、少なくとも3年間は減配しない方針が明文化された意味は大きいと考えています。
会社予想を含めて5期連続増配、80円まで到達
株式分割を遡って調整した1株あたり配当は、2023年3月期の35円から40円、60円、70円と増え続けており、4期連続の増配となっています。2027年3月期の会社予想は80円で、実現すれば5期連続増配です。
この80円は、配当方針の変更にあわせて引き上げられた金額です。2026年5月11日の決算短信に記載された当初予想は70円でしたが、7月28日の方針変更と同時に10円上乗せされました。その前にも2026年1月30日に2026年3月期の配当予想を60円から70円へ増額修正しており、期中に上乗せしてくる姿勢が続いています。
10年前の2017年3月期は分割調整後で11.25円だったので、この10年で配当は6倍を超えました。2022年3月期に30円で据え置かれた年はあるものの、減配した年は一度もありません。


※過去の株式分割を遡って調整した1株あたり配当金です
配当性向は46.8%、新目標の50%までまだ余地がある
2026年3月期のEPS(1株あたり利益)は157.49円で、70円配当の配当性向は44.4%でした。2027年3月期の会社予想EPSは171.01円なので、80円配当なら配当性向は46.8%になる計算です。
配当性向は2024年3月期まで30%台で推移してきましたが、直近3期は40%台後半に乗せています。従来の目標だった40%はすでに超えていますが、新目標の50%まではあと3ポイントほど。利益の成長に加えて、配当性向の引き上げによる上乗せもまだ残っている状態です。


配当利回りの推移
各年度の有価証券報告書が提出された時点の株価をもとに算出した、実績ベースの配当利回りです。過去10年は2.05%〜4.19%のレンジで、3%を超えたのはこの5〜6年のことです。直近2期は3.88%、4.19%と、10年で最も高い水準にあります。
※記事の前半で計算した予想配当利回り約4.28%は、2027年3月期の会社予想配当80円を2026年9月11日時点の株価1,871円で割ったものです。基準となる時点と配当額が異なるため、グラフの数値とは差が出ています。


※配当利回りは、各期の有価証券報告書提出日の終値をもとに算出しています
今後の増配余地をどう見るか
増配の原資は、利益の成長と配当性向の引き上げの2つです。配当性向は46.8%から目標の50%まで3ポイントほど残っており、会社予想の営業利益は前期比10.9%増、純利益は同8.6%増。この2つが両方効いているあいだは、増配が続きやすい形になっています。
原資という面でも余裕があります。2026年3月期の営業キャッシュフローは25.0億円で、配当総額11.6億円の2倍以上。手元の現預金も84.3億円あり、支払いに窮する状況は考えにくい水準です。
ただし配当性向が50%に届いた後は、増配ペースは利益の伸びとほぼ同じになります。過去2期のような40円→60円→70円という一段跳ねの増配が毎年続くとは考えないほうがよさそうです。中期経営計画が終わる2029年3月期以降も累進配当が続くかどうかは、その時点で改めて確認したいところです。
私が実際に購入した理由
業績・財務面での判断
まず業績が素直に伸び続けています。2026年3月期は売上高290.8億円(前期比+12.1%)、営業利益34.7億円(同+15.7%)、純利益26.1億円(同+18.9%)と、増収増益で過去最高を更新しました。2027年3月期も売上高322.8億円・営業利益38.5億円と2桁増を見込んでいます。
10年単位で見ても、売上高は2017年3月期の115.4億円から290.8億円まで2.5倍。営業利益率も8%台から11.9%へ切り上がっており、規模を追うだけでなく採算も改善しています。不採算案件を絞り込むプロジェクト・リスク・マネジメント活動や、一次請け(プライムベンダー)比率の引き上げが効いている形です。
なお2027年3月期第1四半期は売上高74.3億円(前年同期比+7.1%)、営業利益5.4億円(同-10.2%)と増収減益でした。ただし同社は第1四半期の利益が他の四半期より低くなる季節性を有価証券報告書に明記しており(新入社員の配属が第2四半期以降になるため)、通期予想も据え置かれています。1四半期だけで判断する必要はないと考えていますが、今後の進捗は見ておきたいところです。
財務も安心して持てる水準です。2026年3月期末の自己資本比率は69.1%、流動比率は264.3%。現預金84.3億円に対して有利子負債は10億円弱しかなく、実質的な無借金経営です。BPSも2017年3月期の247円から812円まで、10年で3.3倍に積み上がっています。
キャッシュフローも安定しており、直近10年で営業キャッシュフローがマイナスになった年は一度もありません。フリーキャッシュフローも全年でプラスを維持しています。ここ数年は開発センターの新設で投資キャッシュフローの支出が増えていますが、営業キャッシュフローの範囲内に収まっています。






株価水準での判断
2026年9月11日終値1,871円は、年初来高値2,055円(1月16日)から約9%下、年初来安値1,613円(3月30日)からは16%上の位置にあります。高値圏でも安値圏でもない、レンジの中ほどといったところです。
指標で見ると、会社予想EPS171.01円に対して予想PERは約10.9倍。過去10年のPERは9.3〜15.9倍のレンジで動いてきたので、下寄りの水準です。利益が2桁で伸びている会社としては、素直に低い部類だと考えています。
一方でPBRは約2.31倍と高めです。過去10年でも1.83〜2.59倍のレンジで、1倍を割ったことは一度もありません。自己資本が厚いわりに株価が資産価値に対して割高に見えるのは、それだけ利益を効率よく稼いでいるためです。この銘柄はPBRで割安さを測るタイプではなく、利益と配当の伸びを見て判断する銘柄という整理になります。
2025年4月の急落で端株を拾い、5月に単元化しました
2025年4月上旬、相場全体が大きく崩れた場面がありました。以前から気になっていながら株価が下がらず買えずにいた銘柄だったので、ここで端株を80株ほどまとめて取得しています。
その後も少しずつ買い足し、2025年5月1日に100株の単元にしました。暴落時に多めに拾えたことで取得単価は1,469円まで下げられ、80円配当ベースの配当利回りは5.45%、優待を合わせた総合利回りは6.13%になっています。
急落時にまとめて買えたのは、それまでに業績と財務を確認して「この値段なら買う」という水準を決めてあったからです。優待のQUOカードは2025年12月上旬に初めて受け取っており、今年で2回目になります。リスクや注意点
リスクや注意点
- トヨタグループへの依存度が高い:株式会社トヨタシステムズ1社で売上高の19.4%を占めており、その比率は年々上がっています。自動車業界のIT投資が絞られる局面では、業績への影響が大きく出る構造です
- AIによる受託開発モデルの構造変化:会社自身が最重要課題に挙げているリスクです。AIで開発の生産性が上がると、顧客の内製化が進んだり、開発単価の引き下げ圧力が強まったりする可能性があります。人月ベースで稼ぐビジネスの前提が変わりうる点は押さえておきたいところです
- 技術者を確保できるかどうか:労働市場の逼迫が続くなか、優秀な技術者や協力会社を必要なだけ確保できなければ、受注があっても売上に変えられません。受注残高が1.8倍に増えているぶん、供給側の制約は意識しておきたい点です
- 不採算プロジェクトの発生:受託開発では、想定外のバグや難易度によって採算が崩れる案件が出ることがあります。会社はリスク管理活動で抑え込んでいますが、ゼロにはできません
- 第1四半期は利益が薄い:新入社員の配属時期の関係で、第1四半期の利益は構造的に低くなります。2027年3月期第1四半期も前年同期比で減益でした。四半期ごとの数字だけを見て慌てないようにしたいところです
- PBRは2倍を超えている:資産面での下値の支えは期待しにくい水準です。業績の伸びが鈍ったときには、株価の調整幅も大きくなりやすいと考えています
- 累進配当は3か年の期間限定:累進配当が明示されているのは2027年3月期から2029年3月期までの中期経営計画期間です。急激な業績悪化や重大な投資案件の発生などがあれば方針を見直す可能性があるとも書かれており、恒久的な約束ではない点は押さえておきたいところです
まとめ
システムリサーチ(3771)は、9月末のQUOカード優待に加えて、4期連続増配(会社予想を含めれば5期連続)を続けている名古屋の独立系システム開発会社です。2026年7月には目標配当性向を50%へ引き上げ、2029年3月期までの累進配当も導入しました。配当+優待の総合利回りは約4.81%、権利付最終日は9月28日です。優待は9月末ですが配当は3月末の年1回なので、両方を受け取るには翌年3月末まで持ち続ける必要があります。
自己資本比率69.1%の実質無借金で、営業CFは10年連続プラス。売上高は10年で2.5倍、営業利益率も8%台から11.9%へ切り上がっており、配当の原資という点で不安の少ない会社です。予想PER10.9倍という水準も、2桁成長を続けている企業としては低い部類だと考えています。
一方で、累進配当が約束されているのは3か年の中期経営計画期間まで。トヨタグループへの依存度の高さと、AIによる受託開発モデルの変化も無視できないリスクです。PBRも2倍を超えており、資産面での下値支えは期待しにくいところがあります。資産の割安さではなく、利益と配当が伸び続けることを前提に持つ銘柄だと考えています。
この記事を参考にしつつ、最終的な判断はご自身の数字の確認をもとに行っていただければと思います。






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