はじめに:銘柄選びは「自分に合った服」を選ぶように
こんにちは、ニッパーです!これまでの記事で、高配当株や株主優待の基本的な仕組みや魅力について解説してきました。その内容を読んで、「よし、私も投資を始めてみようかな!」「どんな株を選べばいいんだろう?」と感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。


投資で最も悩むことの一つが、まさに「どの銘柄を選ぶか」ではないでしょうか。世の中には何千もの企業があり、どの株を買えばいいのか、初めは途方に暮れてしまうかもしれません。
私も投資を始めたばかりの頃は、株価の短期的な値動きに一喜一憂したり、話題性だけで銘柄を選んで失敗した苦い経験があります。しかし、その失敗から「腰を据えて長期で安心して保有できる銘柄へ投資する」という大切な学びを得ました。
今回は、私が自身の経験から見出した、高配当株と株主優待銘柄を選ぶ上での「3つの基本原則」を、初心者の方にも分かりやすくご紹介していきます。この原則を知れば、あなたに合った「失敗しにくい」銘柄選びができるようになるはずです。
原則1:企業の「安定性」を重視する
私が一番大切にしているのは、何よりも企業の「安定性」です。特に高配当株や株主優待は、長期で保有することで恩恵を受け続ける投資です。そのためには、その企業が安定して利益を出し続け、配当や優待を維持・成長させてくれる見込みがあるかが重要になります。
過去の配当実績を確認する
- 「減配」や「無配」の履歴がないか: 過去に配当を減らしたり(減配)、配当を全く出さなかったり(無配)した時期がないか確認しましょう。安定して配当を出し続けている企業は、今後もその傾向が続く可能性が高いです。
- 「増配」傾向にあるか: 毎年少しずつでも配当を増やしている企業(増配企業)は、利益を株主に還元する意識が高く、将来の配当収入の増加も期待できます。
業界での立ち位置とビジネスモデルを理解する
- 景気に左右されにくいか: 生活必需品を扱う企業や、公共性の高いインフラ企業など、景気の変動に比較的左右されにくいビジネスモデルを持つ企業は、安定した収益を上げやすい傾向にあります。
- 競合優位性があるか: その企業が独自の技術や強いブランド力を持っているか、参入障壁が高い業界にいるかなども重要なポイントです。
財務状況をチェックする(最低限ここだけは!)
- 自己資本比率: 会社の総資産のうち、返済不要な自己資本がどれくらいの割合を占めているかを示す指標です。一般的に40%以上あると安定していると言われます。(業種によって目安は異なります)
- 有利子負債: 銀行からの借入れなど、利子をつけて返済が必要な負債が多すぎないか確認しましょう。
- 自己資本とは:
企業の持つ資金のうち、返済義務のないお金のことです。具体的には、株主からの出資金や、企業が稼いだ利益のうち社内に留保されたお金(利益剰余金)などが含まれます。 - 有利子負債とは:
企業が金融機関などから借り入れたお金のうち、利息(金利)を支払う必要がある負債の総称です。具体的には、銀行からの借入金、社債、割引手形などがこれにあたります。
原則2:分散投資でリスクを抑える
「卵を一つのカゴに盛るな」という投資の格言があるように、どんなに良いと思った銘柄でも、一つの企業に集中投資するのは危険です。私自身の失敗経験(GMOフィナンシャルホールディングスへの集中投資)からも、この学びは非常に大きかったです。
- 複数の銘柄に投資する: 10銘柄~20銘柄程度に分散して投資することで、もし一つの企業の業績が悪化して減配や株価下落が起きても、ポートフォリオ全体への影響を小さくできます。
- 異なる業種・セクターに分散する: IT系、金融系、食品系、インフラ系など、様々な業種の銘柄に分散することで、特定の業界の不況が全体のパフォーマンスに与える影響を軽減できます。
- 購入時期を分散する(ドルコスト平均法): 一度に全資金を投入するのではなく、数ヶ月に分けて少しずつ購入することで、高値掴みのリスクを減らし、平均購入単価を安定させることができます。
- ドルコスト平均法:
価格が変動する金融商品(株式や投資信託など)を、「常に一定の金額で、決まったタイミングで継続的に購入していく」投資手法です。
簡単に言うと、「毎月同じ金額ずつ、コツコツと投資商品を買っていく方法」です。
これにより、価格が高いときには購入量が少なく、価格が低いときには購入量が多くなるため、長期的に見ると購入単価を平準化(ならす)効果が期待でき、高値掴みのリスクを軽減できると言われています。投資初心者にも始めやすい手法です。
原則3:株主優待は「おまけ」と考える
株主優待は確かに魅力的で、日々の生活を豊かにしてくれますが、銘柄選びの第一優先にはしない方が賢明です。
- 優待の魅力だけで飛びつかない: 優待が魅力的でも、企業の安定性や配当の持続性が低い場合は注意が必要です。優待目的で株価が高騰している場合もあり、権利落ち後に大きく下落するリスクもあります。
- あくまでも「おまけ」「ボーナス」と捉える: 優待は企業のサービスであり、廃止や内容変更のリスクが常にあることを忘れてはいけません。優待に固執しすぎると、企業の本質を見誤る可能性があります。
- 優待品の「使い勝手」も考慮する: ご自身の生活スタイルに合わない優待品ばかりを選んでも、活用できずに無駄になってしまうこともあります。
まとめ:賢い銘柄選びが「ゆとりある未来」を築く
今回は、私の失敗談から得られた教訓を基に、高配当株・株主優待銘柄を選ぶ上での「3つの基本原則」をご紹介しました。
- 企業の「安定性」を重視する
- 分散投資でリスクを抑える
- 株主優待は「おまけ」と考える
これらの原則を守ることで、投資初心者の方でも「ドキドキが少ない資産形成」を実現し、着実に「ゆとりある未来」へと進んでいけるはずです。
次回以降の記事では、私が実際に保有している高配当株や株主優待銘柄を具体的に紹介しながら、なぜその銘柄を選んだのか、その背景にある考え方をもっと詳しく深掘りしていきますので、ぜひ楽しみにしていてくださいね!

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